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 写真を始めてから、ややしばらくして実家にカメラがあったのを思い出しました。たしか、メカニカルなやつがあったはずだぞ。

 帰ったとき、母に聞いてみました。そういえばさ、カメラなかった?

 あるわよ、ちょっと待っててね。母がごそごそとたんすをまさぐっていたかと思うと、小さなカメラを出して着ました。出てきたのはオリンパス「Trip35」というカメラ。ちょっとレンズががたがたしています。

 昌彦(甥っ子)がさ、遊んで壊しちゃったのよ。でもちゃんと動くのよ。このカメラ、昭和43年に発売開始になった古いカメラです。レンズの周りにセレン式の露出計が入っており、電池がなくても自動露出ができる優れものだ。いまでいう馬鹿チョンカメラの走りなのでしょう。

 セレンとは光が当たると微弱な電流が流れます。これでカメラが動くのです。

 姉が生まれた日に、父さんが買ってきたのだそうです。にこにこしながら、おおい、カメラかってきたぞう。っていってさ。 

 父さん自分で撮ると言ってたのに、全部私が撮ったのよ。まったくもう。しょうがないけどね。父さんいつもお酒飲んでたし。あんたも全部私が撮ったのよ。うまいでしょ。ほら。これ、これ。

 色あせたアルバムには赤ちゃんの僕や、ブランコに縛り付けられて寝ている僕や、弟と同じ格好した僕がいる。時たま父さんが写っている。確かに母が写っていない。

 後日、札幌のカメラ屋さんに持ち込み、修理してもらった。7000円掛かった。中古のTripが買える値段だが、しようがない。

 ちょっとだけ、いつも酒を飲んで酔っ払っていた父さんを思い出した。僕たち兄弟を写してきた、カメラが今僕の手にある。実家にいなくても色あせた写真が目に浮かんでくる。父さんとの思い出がここにある。

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by hassel_distagon | 2005-07-31 23:17 | Camera,Equipment
 写真とは、そのまま読むと真実を写す、と書いてあります。まぁ実際には、太った自分の写真を見て愕然としたり、写真ではすごいかわいい娘を紹介されて、実際にあってみるとそうでもなかったりする訳で、強制的に真実を見せられたり、騙されたりする。そこが写真の面白いところなのですが。

騙したり騙されたりはその人の外面に騙されているような気がします。しようがないですよね。人間だし。しかし、時として出来上がった写真がその人の内面を写し取った、そんな写真を撮った事は無いですか?

 写真では騙すこともできますが、間違いなく、真実に迫ることができると思います。ここでいう真実とは外見ではなく、被写体の持つ内面の事です。

 昨年から一年間、今住んでいる室蘭を撮影しました。多分フィルム100本は越えていると思います。撮影しながら考えたことを当ブログ「いつもの見慣れた風景をとろうよ」に書いてみました。てくてくと散歩しながら室蘭を隅々まで歩き回り、写真を撮りました。出来た写真は当HPのギャラリー「僕の住む街に纏めてあります。

実はまとめあげるのが辛くなり、格好のいい写真だけを並べてあります。心が挫けてしまったのです。

 室蘭は現在、急速な過疎化と人口の一極集中が進んでいます。室蘭は北海道では函館に次いで古い町です。函館と同じく旧市街を持っています。古い旧市街地、「中央町」「輪西」「絵鞆」などは人口減少が著しく、街中に廃墟が溢れています。札幌であれば、空き家を誰かが買い取り、ビルや新しい家を建てるでしょう。しかし、室蘭では過疎化が進んでおり、土地を買い取る人もいないのです。ゴーストタウンと化しています。

 一部に人口が集中し、他は過疎が進む。まるで人口が増え続ける札幌と、その他の地域の様です。東京とその他の道府県との関係にも似ています。今日本は人口が減少してきています。室蘭は未来の日本の縮図なのかも知れません。写真をみて、そう思いました。

 最初は面白がって廃墟を撮影していましたが、撮影し続けるのはなかなか辛いものです。

 写真を一枚、二枚、三枚・・・と重ねると表面では見えなかったものが見えてくるような気がします。日本を代表する写真家、森山大道氏も写真はある程度の枚数が必要だ。ある程度の枚数を持ってきたら、私はどんな人の写真でも見る、といっています。

 出来上がる写真は、ルポタージュまではなりませんが、それに近くなります。写真の鬼と言われた故、土門拳氏が提唱したリアリズム、いわゆる非演出絶対スナップといわれる手法です。リアリズムがもてはやされた頃は、急激な高度成長期であり、成長から取り残された農村や漁村を撮るのがアマチュア写真家の流行であったと聞きます。

 この方法は30年位前の考え方です。現代は、川内倫子「うたたね」などに代表されるように、つながりのない写真、特にアップの写真を多様し、一枚一枚は意味のない写真を集めるようなまとめ方をします。アップの写真を集めると写し手の心象を表す事ができます。なかなか不思議です。 どうやら、偉い写真家の人々には新しい撮影スタイルとして新鮮に見えるようです。今、写真賞を撮るならこの方法でしょう。

 写真を纏め上げる際、ちょこっとアップの写真を入れてやると上記の効果が出てアクセントをつけることができるようです。しかし、僕は古いスタイルの方が向いている様です。やはり、真実に迫りたいと考えています。

 機材もライカやハッセルと古く、撮影スタイルも古いです。最近はスタイルを変えなくてはいけない気がしてならないのですが、多分変われないでしょう。自分の迷いが写真にも出ている気がしています。

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2005 北海道室蘭市

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by hassel_distagon | 2005-07-30 03:19 | Method of B&W
写真を撮ると、まず最初に望遠が欲しくなるものです。何を隠そう僕もそうでした。 やたらと一眼レフの望遠レンズを買ったものです。とにかく、大きく撮りたかった。小さいのは嫌だった。

 しかし、ライカを使うようになると、ほとんどを50ミリの標準レンズを使うようになった。35ミリを買ったけど、使いこなせないでいました。画角が広すぎで使いずらいんです。標準レンズに慣れると、35ミリが。

 あるとき、札幌のカメラ屋さんで20ミリの超広角レンズを発見しました。ロシア製のルサールという珍しいレンズです。珍品の部類なので、まぁいいやと買いました。広角レンズの練習でもしようと考えたわけです。20ミリを慣れると35ミリは簡単だろうと。

 50ミリを標準とした場合、50ミリ以下を広角レンズと呼びます。レンズ設計の進化した現在では28ミリまでが広角レンズ、24ミリ以降を超広角と呼びます。

 写真のコツは、よく引き算だとか言われますが、超広角を使う場合にも当てはまります。20ミリだと約90度の範囲が写るため、何でもごちゃごちゃと写り込みます。画面を整理する必要があります。主題はこれ、脇役はこれ、と誰が見てもわかる必要があります。

 超広角は、非常に被写界深度が広いです。まず、背景がぼけることはありません。対象にぐっとよっても、背景はちゃんと写り込みます。基本テクニックとしてとにかく寄ることです。よって、背景とのコントラストが最高になるように配置します。黒いものは白い背景に、白いものは黒い背景に。出ないと、背景がぼけないために何が写っているかわからなくなります。

 出来上がった写真は、遠近感が誇張され、かつ周辺がぐにゃりと歪んだ画像になります。フィルムに90度を43度に変形させて写しこむため、やむを得ないのです。

 下の写真は、小さい砂場なのですが、遠くに三輪車があるように見えちゃいます。画面の端にある、家が歪んでいるのがわかるでしょうか。

 超広角では広いところを撮るのはいいのですが、狭いところも広く写ります。見た人は勘違いするので、パンフレット等に使うのはフェアでないです。見ている人を騙すことになります。最近、ナショナルジオグラフィックの写真家が超広角を多用して、ぐにゃりと変形した人物写真を載せていました。僕がジオをやめた原因でもあります。

 このほか、広い被写界深度を利用するとピント合わせが不要になり、早く動くものに対応できます。また、女性の胸やおしりをより強調し、足を長く写したりできます。28ミリで撮影する写真家も多い様ですが、またの機会に。

 次々と超広角レンズが設計され、その写真がいい、普通のレンズではなく、超広角レンズで誇張した表現をしなさい、というアマチュアの写真家もいます。しかし、出来上がった写真はあなたの力ではなく、レンズの力であることを頭に入れておいて下さい。

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by hassel_distagon | 2005-07-20 22:08


 写真を撮ると、まず最初に望遠が欲しくなるものです。何を隠そう僕もそうでした。 やたらと一眼レフの望遠レンズを買ったものです。とにかく、大きく撮りたかった。小さいのは嫌だった。



 しかし、ライカを使うようになると、ほとんどを50ミリの標準レンズを使うようになった。35ミリを買ったけど、使いこなせないでいました。画角が広すぎで使いずらいんです。標準レンズに慣れると、35ミリが。



 あるとき、札幌のカメラ屋さんで20ミリの超広角レンズを発見しました。ロシア製のルサールという珍しいレンズです。珍品の部類なので、まぁいいやと買いました。広角レンズの練習でもしようと考えたわけです。20ミリを慣れると35ミリは簡単だろうと。



 50ミリを標準とした場合、50ミリ以下を広角レンズと呼びます。レンズ設計の進化した現在では28ミリまでが広角レンズ、24ミリ以降を超広角と呼びます。



 写真のコツは、よく引き算だとか言われますが、超広角を使う場合にも当てはまります。20ミリだと約90度の範囲が写るため、何でもごちゃごちゃと写り込みます。画面を整理する必要があります。主題はこれ、脇役はこれ、と誰が見てもわかる必要があります。



 超広角は、非常に被写界深度が広いです。まず、背景がぼけることはありません。対象にぐっとよっても、背景はちゃんと写り込みます。基本テクニックとしてとにかく寄ることです。よって、背景とのコントラストが最高になるように配置します。黒いものは白い背景に、白いものは黒い背景に。出ないと、背景がぼけないために何が写っているかわからなくなります。



 出来上がった写真は、遠近感が誇張され、かつ周辺がぐにゃりと歪んだ画像になります。フィルムに90度を43度に変形させて写しこむため、やむを得ないのです。



 下の写真は、小さい砂場なのですが、遠くに三輪車があるように見えちゃいます。画面の端にある、家が歪んでいるのがわかるでしょうか。



 超広角では広いところを撮るのはいいのですが、狭いところも広く写ります。見た人は勘違いするので、パンフレット等に使うのはフェアでないです。見ている人を騙すことになります。最近、ナショナルジオグラフィックの写真家が超広角を多用して、ぐにゃりと変形した人物写真を載せていました。僕がジオをやめた原因でもあります。



 このほか、広い被写界深度を利用するとピント合わせが不要になり、早く動くものに対応できます。また、女性の胸やおしりをより強調し、足を長く写したりできます。28ミリで撮影する写真家も多い様ですが、またの機会に。



 次々と超広角レンズが設計され、その写真がいい、普通のレンズではなく、超広角レンズで誇張した表現をしなさい、というアマチュアの写真家もいます。しかし、出来上がった写真はあなたの力ではなく、レンズの力であることを頭に入れておいて下さい。


 


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2005 Leica M3/Russer 20mmF5.6


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by hassel_distagon | 2005-07-20 06:34 | Method of B&W


 先日、東京へ出張へ出ていたとき、ちょうど銀座の松坂屋で中古カメラ市でローライフレックスという古いカメラを購入しました。2眼レフといわれるカメラで、縦長の弁当箱みたいなものにレンズが2個ついています。上のレンズがピント合わせ用で、下のレンズが撮影用です。

 僕が買ったのはプラナー75ミリF3.5がついたモデルで、1960年頃と思われます。なんてったってプラナー!ドイツが誇るレンズ会社、カールツァイス製。カールツァイス社はランドサット宇宙望遠鏡のレンズを作っていたはずです。僕の記憶によると。

 さて、肝心の試写結果が下に表示してあります。

 40年以上前にしてはよく写る!というのが感想です。さすがに古いため、解像度がちょっと落ちます。しかし、空気をも写しこむといわれる無限の階調は健在です。同じくカールツァイスのレンズを搭載しているハッセルブラッドより階調が豊富で解像度が落ちる感じですね。

今回はちょっとマニアックな話になってしまいました。

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by hassel_distagon | 2005-07-17 18:51 | Hokkaido,Muroran