暗室講座5 現像に使用する道具・薬品

 さぁいよいよ暗室講座も現像編に入ります。今回は現像に必要な道具を紹介します。現像液はコダックとフジを使い分けた方がいいのですが、他の薬品は入手しやすいフジで十分です。僕もフジしか使ったことはないです。

 ①フィルムピッカー
 現像は、まずフィルムピッカーでフィルムのベロを出すことから始まります。うまく取り出すにはちょっとコツがいるので、練習しましょう。 


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②現像タンク
 現像タンクは、浅沼商会(KINGブランド)のベルト式と、LPL製のステンレスタンクが有名です。KINGでもステンレスはあったような気がします。一般には、KINGのベルト式は現像ムラ、特に35ミリでは気泡、ブローニーではベルトにフィルムを挟みこむ構造上、ベルトにくっついてしまい現像ムラができやすくなります。35ミリはがんばれば20本に1本くらいの現像ムラですむのですが、ブローニー用は2本に1本くらい現像ムラが発生します。KINGは現像ムラをなくすのが不可能なので、僕はおすすめしません。現像ムラのできにくいLPL製ステンレスタンクをお勧めします。
 
 写真はLPL製ステンレスタンク、4本用です。1本用もあります。僕は4本用しか使ったことがありません。タンクの横にあるのがリールで、フィルムを巻き巻きします。4個重なっているのが35ミリ用、2個重なっているのがブローニー用です。4本用は、35ミリ4本、またはブローニー2本同時に現像できます。


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③現像液
 現像はまず、6~13分、フィルムの入ったタンクに現像液を入れます。 僕の暗室には下の4つがありました。現像液は、大まかに「微粒子現像用」「通常現像用」「増感可能な現像液」に分かれます。現像液の基本は、コダック製の「D-76」という現像液で、全ての現像液はD-76の改良版に過ぎない、とまでいわれています。

 現像液は基本的に同じものなので、どのメーカーのフィルムと現像液でも現像できます。コダックとフジは比較的入手しやすいですが、イルフォードやコニカの現像液なんて見たこともないです(笑)。しかし、コダックのフィルムはコダックの現像液で現像したほうがいいようです。


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左より、フジ:ミクロファイン、フジドール コダック:D-76、T-MAX現像液


 微粒子現像用・・・フジ:ミクロファイン  コダック:マイクロドール(使ったことありません~)
 通常現像用・・・・・フジ:フジドール    コダック:D-76・T-MAX現像液(増感可)
 増感&通常・・・・・フジ:SPD(スーパープロドール)
    ※T-MAX現像液:通常はT-MAXデベロッパーともいいます。

④現像液の組み合わせ
 現像液の組み合わせですが、モノクロフィルムの「Tri-X」と「D-76」の組み合わせはプロでは絶大な信頼を得ています。高梨豊氏、森山大道氏はこの組み合わせです。しかし、値段が高いのと、1袋で4本しか現像できないので僕は余り使っていません。コダックのT-MAX用現像液でTri-Xを現像してます。ちょっと軟調気味に仕上がるようです。

 フジの誇る、微粒子フィルム「アクロス」を常用していますが、これには「ミクロファイン」がいいと思います。フジドールやスーパープロドールで現像しても結構微粒子です。ただ、SPDは現像時間が短すぎるのがネックです。現像ムラをなくすには最低6分の現像時間が必要です。SPDは20℃で5分とちょっと短いです。

 同じくフジ「ネオパン400プレスト」は、現代レンズに対応するために軟調気味に作られているフィルムだと思います。ミクロファインで現像すると超軟調なネガができます。軟調とは、階調は豊富なのですがコントラストが低い状態を言います。現代レンズはハイコントラストで階調が皆無に近いので、ミクロファイン現像がいいのかもしれません。僕はT-MAX現像液を使用しています。階調豊富なツァイスで撮影し、T-MAX現像液できりっと仕上げます。フジのフィルムをコダックの現像液で現像するとハイコントラストな仕上がりになるようです。

⑤酢酸
 現像反応はアルカリ反応なので、酸を使って現像を停止させます。普通はフジの酢酸5~10ccを1リットルの水で薄めて使用します。これを「停止液」と呼んでます。酸なので多分レモンや酢でもいいような気がします(笑)

 暗室の独特のすっぱいにおい、においの元はこいつですね。結構強烈なにおいがします。


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⑥定着液
 ネガフィルムは、露光された「ハロゲン化銀」という物質が現像液で金属銀に還元されて像が浮かび上がるのですが、露光しなかったハロゲン化銀を洗い流す必要があります。この工程を「定着」と呼んでいます。洗い流すのに定着かよ・・・と異論もあるとは思いますが、僕が名づけたわけではありませんので(笑)

 フジの製品は「フジフィックス」と「スーパーフジフィックス」があります。スーパーフジフィックス」の方が早く仕上がります。僕はスーパーフジフィックスで5分間定着させてます。フジは比較的早く定着が終わり、コダックは時間が掛かりますが、5分あれば大丈夫です。



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⑦クイックウォッシュ(QW)

 定着の終わったフィルムは20分間水洗するのですが、このQWを使うと5分ですみます。1袋50円くらいで、100本も処理できるのでお買い得です。現像は水洗が非常に重要でして、水洗不十分だと水垢は無論のこと、小さな粒粒が付着します。乾いてから粒粒を撮るのは不可能です。QWしましょう。学生の方の作品展とかみると、写真に白い点々があるのを見かけますが、水洗不足によるものです。

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⑧その他
 このほかに、暗室や,メスカップ、メスカップをかき混ぜるマドラーみたいなやつ、フィルムを乾かす洗濯バサミなんかが必要です。

 次回も現像編続きます。

        当ブログはHP「シャッターモノクローム」の1コンテンツです。

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by hassel_distagon | 2005-10-10 07:46 | Dark Room