ゾーンシステムで明暗を区別しよう


 モノクロ写真家で、露出のすごい人をあげろ、といわれたら第一に浮かんでくるのが故アンセル・アダムス氏ではないでしょうか。アンセル・アダムス氏は主にアメリカのヨセミテ国立公園を撮影した風景写真家です。初めて見たとき、モノクロで風景写真をとってもいいんだ、なんて感じたのを覚えています。



 さて、ゾーンシステムを行うにあたり、スポット式の露出計が必要です。現代のカメラには多分スポット測光モードがついていますので、こちらでもいいと思います。



 スポットで測光すると、絞りとシャッタースピードが表示されます。ここでは仮に、絞り「F5.6」、シャッタースピード「1/125」とします。



 ここで写真を撮ります。カシャ。このまま現像すると、スポット測光したところが灰色に写るはずです。カメラに内臓している露出計は、コダック社が決めた灰色(18%反射率グレーといいます)になるように露出を決めます。黒いものも灰色に、白いものも灰色に写ります。露出計ってこんな簡単な原理なんですよ。



 この、18%反射率グレーなんですけど、プリントすると質感描写が最高な点です。ここを「ゾーン5」とします。いいですか、ゾーン5ですよ。



 ゾーン5のスポットのすぐ横に、「F4」「1/125」の露出が得られる場所があったとします。一つ絞り分暗いですね。ここを「ゾーン4」とします。さらに、「F4」「1/60」の場所があったとします。ゾーン5より2つ絞り分暗いです。ここを「ゾーン3」とします。カメラが判断した最適「ゾーン5」より2つ絞り分暗い領域、ここまでがプリントして質感を表現できます。プリントするとゾーン5より黒っぽい灰色になります。



 更にゾーン3より1つ絞り分暗いところ、「ゾーン2」では結構黒くなりますが、かろうじて質感の描写ができますがほとんど黒になっちゃいます。



 逆に、明るいところは一つ絞り分明るくなるたびに「ゾーン6」「ゾーン7」となります。ゾーン7までは白っぽい灰色で、質感描写が可能です。「ゾーン8」になると暗い場合と同じでかなり白いですが、かろうじて質感描写が可能です。


 まとめると、下の様になります。各ゾーンはちょうど1つ絞り分だけ違います。


 暗い ゾーン0  真っ黒


     ゾーン1  真っ黒


     ゾーン2  黒いけどかろうじてわかる ⇒⇒⇒一般的には黒ですね


     ゾーン3  黒いけど質感は分る ⇒⇒⇒プリント限界


     ゾーン4  ちょっと黒いかな?


     ゾーン5  標準な灰色


     ゾーン6  ちょっと白いかな?


     ゾーン7  白いけど質感は分る ⇒⇒⇒プリント限界


     ゾーン8  白いけどかろうじて分る ⇒⇒⇒一般的には真っ白です


     ゾーン9  真っ白



 簡単にいうと、スポット測光した場所からプラスマイナス2絞り分、ゾーン5をいれると5絞り分がまともにプリントができる範囲になります。



 現実には、5絞りにすべて入るわけがないのですが、アンセル・アダムス氏は「2液現像」「増感」「減感」を駆使して5絞り分に入れろ、と言っています。アンセル・アダムス氏みたいにシートフィルムじゃないんだから、ここまではできにくいかなと思います。



 これをどのように使うかというと、最初にグレーにしたい部位を決めます。たとえば人の顔とかですね。そして周囲を測り、「ここはマイナス2絞りだから黒いけどかろうじてうつるかな」とか、「あっちはプラス3絞りだから真っ白になっちゃうな」とか、撮影時に分るようになります。現像しなくても露出のよしあしが分るようになります。



 しかし、スナップではそんなことはしてられません。測光しているうちにネコは逃げちゃうし子供は走っていってしまいます。ここからは次回に!


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by hassel_distagon | 2005-09-26 20:28 | Dark Room