いつもの見慣れた風景を撮ろうよ


 写真には、テクニック以上に大切なものがあると僕は思う。どうやって写すかでは無く、何を写すか。モノクロで何を撮ればいいのだろう。モノクロを始めたころ、よく考えていた。

 僕は、数年前はオリンパスのOM2を持ち、風景、特に夕日と朝焼けをよく写していた。600ミリの超望遠レンズを購入し、蝦夷リスを狙ったり釧路まで丹頂鶴を撮りに出かけた。その頃は、モノクロはいいよなぁ、位であり、撮影はリバーサルの方が多かった。

 丹頂鶴って見たことありますか?飛んでいるところを下から見たことがありますか?丹頂って、ほっそりしてて、足が長くて、人が飛んでいるように見えるんですよ。初めて見たとき、天使が光臨したと思いました。丹頂撮影は面白いです。しかし、撮影ポイントは伊藤サンクチュアリ、鶴見台、雪狸川しかありません。みんな同じ様な写真になってしまいます。しかも、求愛のダンスは2月なのです。昔の千円札の裏の鶴が取っているポーズです。サラリーマンには撮影は難しいんですね。やっぱり。

 帰ってきて、もうやめよう、そう思いました。もっとキレイな写真が撮りたい、そう思うともっとすごい風景を探したり、見たことの無い風景を探したり、限が無いわけです。

 世の中、かなり狭くなりました。星野道夫のアラスカの写真や、藤原新也のアジア写真、白川義員のアルプスの写真、三好和義の南国写真、そして僕が一番影響を受けた並河萬里のシルクロード写真。いろいろな人が世界中あちこちで撮影しており、才能の乏しい僕には超えられそうにもないというのも分かって来た。

 最初は練習のつもりでモノクロスナップを始めました。モノクロは自分でやれば現像代も安いし、瞬時で構図を決めて撮影するのもいい訓練かな。軽い乗りでした。

 しかし、本数が多くなるにつれてモノクロ比率は増加して行き、カラーは激減していきました。同時に今住んでいる室蘭を撮りたくなりました。

 この一年間、ひたすら室蘭を撮影しました。撮影した対象はいつもの風景です。ネコや古い建物、海岸。歩くたびにいろいろなものが見えてきて新鮮でした。これは、スナップ写真家だけの特権です。今住んでいる見慣れた街が、こんなに被写体でありふれているのか、こんなにいろいろなものがあるのか。

 カラーだと、どうしても色に左右されてしまいます。しかし、モノクロであれば今住んでいる街の本質が見えてきそうです。モノクロスナップ写真が、街で撮られているものが多いのをちょっぴりですが、理解した気になりました。

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2005 輪西神社にて


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by hassel_distagon | 2005-06-13 21:54 | I think B&W